輪廻の構造
2015.09.30 Wednesday
宇宙には始まりも終わりもなく、永遠の今があるだけです。けれども私たちは、物理的な世界に生きていますので、そこでは時空間が存在し、時空間のあるところでは、見かけ上の時間経過があるかのように感じられるのです。なぜなら常なるものは何一つなく、あらゆるものが変化しているからです。しかしそれとて、「今」しか、人間には知覚できないのです。
「8」を横にした記号が「∞(無限:infinity)」です。この無限記号を、中心に軸を置いて回転させますと、「トーラス(torus)構造」が出来上がります。分かりやすく言えばドーナツ型です。このドーナツ型が、実に、「輪廻」の構造そのものなのです。だから「無限」なのです。極小のものから極大のものまで、すべてが「トーラス構造」の渦を形成しているのです。
過去や未来は結局のところ意識の中にしかないのですが、人間はそれを錯覚して、時間軸上に、どうしても始まりと終わりを規定したがります。たとえば、会社の創業と解散や、鉄道の開業と廃線など。その最たるものは誕生と死ですが、それらはみな「変化」の一局面を捉えていることに過ぎなくて、大局的に見れば、すべては「輪廻」という循環の中にあるのです。
この世とあの世を含めた宇宙全体は、大きく7段階の階層構造を持っています。これを「オクターブ」と呼んでいます。「オクト」は「8」という意味で、ドレミファソラシドを考えれば分かるように、7音階の次の8番目で、一つ上の倍音に振動数が上昇します。7階層の宇宙を「オクターブ」と呼んでいるのはそのせいで、8番目になった時には、反対側の宇宙へジャンプしてしまうのです。
身近な例では台風を考えてみてください。熱帯低気圧に、付近の湿った空気が集まって中心に向けて渦を作り、渦の中心から上昇気流になることで熱帯低気圧は台風に発達します。上に抜けた空気は、雨を降らしながら今度は外側へと放出されて行きます。こうして「トーラス構造」を形づくります。
大銀河も渦ならば、DNAの二重螺旋も渦です。植物の葉っぱも渦状に付いていきます。りんごに代表される多くの果実も「トーラス構造」を形づくっています。目に見えない極微の世界では、神秘学のある派が古代より「コイロンの泡」がすべての素であるとしており、これも「トーラス構造」をしています。
なぜ、輪廻の循環が「◯(circle))」ではなく、「∞」で示されるのかと言いますと、極性があるからなのです。あらゆる物は陰陽の二極から形成されています。それによって、「∞」の構造となるのです。(分かりやすい例では、ヴァン・アレン帯に見られるような磁場)これを、東洋では陰陽太極図「☯」の形で、二極性と渦の構造を表現したのです。