新聞、テレビのニュースを全く観なくなってから一年ほど経ちます。急にそうしたわけではなくて徐々にそうなって行きました。先ず8年前に新聞の購読を止めました。次に雑誌を買わなくなりました。その次に民放テレビを一切観なくなりました。そして3年前から国内ニュースを観るのをやめ、去年からはとうとう海外ニュースも観なくなりました。
今や全くの世間音痴です。しかしこう考えたのです。子どもたちが幸せそうなのは一体なぜだろうか? そもそもテレビニュースなどに関心がないし、気にしないからではないかと。だからこそ「今ここ」をただ生きられるのだと。そこでこれを見習って、実験してみることにしたわけです。
そして実際にやってみて、心境が一変しました。本当に子どものような好奇心の中だけに生きることができるようになったのです。もっと早く気づくべきでした。
でもそのように情報遮断して生きていても、よその家に行ったり食堂に入ったりした時にテレビが付けっ放しになっていたり、銀行やホテルのロビーに置いてある新聞が眼に入ったりすることがあります。人と会えば話題に出ることもあるし、メールでニュースを知らせてくれる人もいる。
というわけで、世の中の動きが多少は漏れ伝わって来るのですが、マスコミ報道をそのまますっかり信じている人だらけでびっくりします。戦時中の大本営発表を経験した人はさすがに少なくなっているでしょうが、福島第一原発の報道がデタラメだったことを、早くもみな忘れてしまったのでしょうか?
マスコミが流すニュースは、基本的に権力者の道具です。昔からそうであったし今も引き続きそうです。
東西冷戦時代の報道は、同盟国のアメリカはよい国、共産主義のソ連は悪い国というレッテル貼りのもとに行われていて、私もそれにすっかり洗脳されていました。その洗脳が解けたのは、湾岸戦争の裏を知り、第二次世界対戦以降の歴史を学び直してからです。しかし日本の報道パターンは今も変わりがありません。
中東情勢にしても、この裏を本当に理解するためには、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、各宗教が成立した過程や救済概念の違い、国家と宗教の位置付けの違い、アラブの王族の支配の問題、部族対立の問題、イスラム教内の派閥争い、石油利権の問題、第一次世界大戦中の「サイクス・ピコ協定」のこと、シオニズムのこと、パレスチナ難民問題、ハルマゲドンのこと、イスラエルとイランの核問題、アメリカの軍産複合体のこと、イスラエルの情報機関のこと等々、いろんなことが複雑に絡み合っていて、その概要を知っていなければ、とても理解できるものではないのです。
それを「イスラム国=テロ集団」といった単純な図式で伝えようとしていることには、そのように演出したい、何者かの意図があることに気づくべきです。第一、「イスラム国」なるものが本当にあるかどうかすら定かではないのです。マスコミが二元対立を煽った時には、必ず裏があると見るべきで、それに疑いもなく乗っかってはならないのです。
それと、マスコミがスキャンダルを報道した時には、その背後で、国民に隠しておきたい重大なことが秘かに進行していると思ってください。それらは目くらましなのです。
考えてもみてください。たとえば、去年巷を賑わせた論文捏造事件ですが、あなたの生活と一体何の関係があるでしょうか? 過ぎてしまえば、どうでもいいことだったとは思いませんか。そのようなことに心を奪われていた時間というものは、全くのムダです。
島国だからでしょうか。日本人は、世界の動向をあまりにも知らないし、報道にうぶ過ぎます。しかし、疑ってばかりいては顔つきが悪くなってしまいますので、ニュースは見ないに限るのです。今はインターネットがあるのですから、調べたいことだけを、ご自分の判断で追ってみてはいかがでしょうか。