by Rainbow School
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日本マクドナルドのホームページを見ますと、トップに「日本マクドナルド、中国製チキン商品の販売中止を決定」と談する一文が掲載されています。対するファミリーマートは、まるで何事もなかったかのよう。小さな文字で「上海福喜食品有限公司」に関する報道につきまして(7月25日更新)」と題するリンクページがあるだけ。
でもこのリンクページ、PDFファイルのため、私のパソコンではブロックが掛かってしまって見られないんです。同じ企業でも、ずいぶん対応に差があるものだなぁ。
ついでに、両社の食の安全に関するメッセージを読むと、先ず日本マクドナルドは、
<お客様に最高の「おいしさと品質」、「安全な商品」をご提供できるよう、マクドナルドは、生産地(農場等)から店舗までのサプライチェーン全般で品質・衛生管理を徹底し、食の安全に取り組んでいます。原材料の生産地から加工、物流、お店の商品にいたるまでの全工程において、世界中のマクドナルドが協力して取り組んでいるマクドナルドグローバル基準と日本の法律・ガイドラインに従った厳しい管理をしています。>
さらに、「食の安全体験レポート」と題するページでは、
<「食の安全」は、子育て中のママ達にとっても、とても気になるテーマです。
ここでは、「すくすく子育てテキスト」(NHK出版)の読者ママたちが、実際にマクドナルド製品の製造現場で確かめた「食の安全体験レポート」をご紹介します。>とあり、母子の写真が載っている。
一方のファミリーマート。「食の安全・安心」ページ中の「原材料の品質管理体制」には、
<中食商品に使用する原材料は、事前に検査証明書の確認や工場点検を行い、合格したメーカーの食材を仕入れています。また、品質衛生管理基準にもとづいて審査し、クリアできたものを製造委託中食工場に供給しています。各工場においても、食材の受け入れ検査を実施しています。>
また「品質衛生管理の徹底」には、
<中食商品の製造を委託している工場のISO9001(品質マネジメントシステムの国際規格)の認証取得を推進しております。ISO9001に準拠した品質管理システムを構築することにより、万一不備があった際には、「点」ではなく「プロセス全体」で改善を図り、効果的な再発防止策を講じることができます。>と空しい文言が並ぶ。
でもこれを責める気は、私にはありません。今回のような事件が起こることは最初から解り切ったことですから。だから私はチェーン店には行かない。(と断言したいところですが、最近はそれが難しくなってきました。個人経営の店がどんどん無くなってしまって)
考えてみて欲しいんです。今回の食肉問題は、果たして衛生管理態勢の不備から起きたことなのかどうか。衛生管理基準を厳しくすれば再発が防げることなのかどうか。私はそうじゃないと思う。「食の工業化」という考え方自体に、こうした問題が起こる可能性が常に内在されているんです。
マクドナルドもファミリーマートも飲食店ではありません。あれは物販店なんです。物販店だけれども、売っているものは偶々「口に入れるもの」というだけの違い。システムの考え方は、完全に物販です。
その物販で、食を平準化し、グローバル化し、大規模化し、外注化し、コストダウンを強いれば、後はどうなるかは火を見るよりも明らか。
ホームページで、どんなに「おいしさへのこだわり」と「安心・安全」を謳おうが、外注先のそのまた関連会社のアルバイトが、どこの国のだれに届くかも判らない、毎日大量に生産している食材に、「心をこめて」製造などできるわけがないではないか。そんなことより、報酬が1セントでも上がる方を望むでしょう?
今の「食」の供給システムは問題山積なのに、背後に何があるかををよく考えてみもしないで、企業が提供するものをどんどん受け入れ、食の伝統文化が破壊されていくのを許している。そういう消費者に問題があると思う。みんながチェーン店やコンビニを拒否すれば、こんな問題は起こらないのです。
今日はこの映画の感想を書こうと思ったのじゃないのです。感想はきっと多くの人が書いておられると思いますから。この中に、こんなエピソードがあったのが私には引っ掛かりました。四組の夫婦のうちで、これから子どもが生まれるという夫婦に起こったことです。
妻は幼児虐待を受けて育ったということがあり、その連鎖が自分にも起きるのではないかと、出産には少し不安があります。優しい夫は、その不安を少しでも和らげてあげたいと、助産院での立ち会いを希望します。そこで、出産予定日に会社を休ませて欲しいと上司に願い出るのですが‥‥。
その時、上司がこう言ったというのです。
「出産に立ち会って、売上げが上がるのか?」
彼は答えます。「いいえ、上がりません」
「だったら、あとは自分で考えろ」
私はそいつを殴ってやろうかと思いました。もちろんヘナチョコなので殴れませんけどネ。(´_`;)
いつも思うことですが、つくづく、地位や権力や学歴や能力と、人間性は関係がないと思います。
夫は、「人として」の行動を模索している。でもその上司が言っていることは「会社人として」ですらない。もっと狭い「売上げ」のことしか頭にないのです。さらに言えば、それすら口実で、やりたかったのは上司ズラしたかっただけのこと。要するにイジメたい願望です。戦争中の日本陸軍の体質となんら変わらない。
私がもしその上司だったら、「そりゃいいことに気がついたね。しっかり寄り添って上げなさい」と言います。それがコーチングというもの。「規律に従え」しか言えない人間に、コーチをやる資格などない。そんなもの誰でも言えるんですから。もっともイージーな指導です。その上司は、間違って上司になっちゃったんだな。
「だったら、あとは自分で考えろ」ですって? 私がその夫なら、考えた末に会社を休みます。なぜって一日や二日休んでも会社は無くならないけれど、出産立ち会いという瞬間はもうその時にしかありません。会社でやる仕事はルーティンだけれど、出産立ち会いは一生でもまれな体験なわけですから。
と、まあ大言壮語を吐きましたが、それは今だから言えること。実は私にも全く同じ経験があるのです。息子が生まれるときに、カミさんは両親のいる田舎へ行きました。私は当時デザイン会社に勤めていて東京に残って仕事をしていたわけですが、休んだのは年に4・5日というありさま。
でもその時ばかりは勇気を出して社長に言ったんです。「子どもが生まれるんで休ませてください」と。そうしたら、社長がこう返した。
「俺と専務は、子どもが生まれたからって休まなかったよ」
結局、立ち会えなかった私は、後でカミさんから「ぜーんぜん来てくれないし、心細かったよぉ」と言われ、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。それに何より、大切な瞬間を逃したという後悔が後をひきました。
この話には後日談があって、ある時、会社の倉庫を整理していると、社長が自分の長男誕生のときに出したハガキがひょっこり出て来た。そこには、なんと「『生まれ』たという知らせを聞いた瞬間、喜びでいっぱいになり、取るものも取りあえず病院に駆けつけました」とあったのです。
「なーんだ、ウソじゃん!」「自分は嬉しくてハガキまで出しているじゃん!」ひでぇなぁ、と思いました。
けっきょく社長は、その時ぱっと心に浮かんだ「イジメたい願望」を、立場を利用して行使しただけだったのです。