表情が与える効果
2013.10.31 Thursday
誰にも言えない自分の秘密、私だけの思い。人はこれらを隠し通せると思っていますが、それは違います。人間は直線的思考と言語によるコミュニケーションを発達させて来たために、普段はその仕組みに依存し切っていますが、実は誰でもテレパシー能力を潜在的に持っているのです。
たとえ内容の詳細までは解らなくても、身近な人の感情の動きや思考の変化を、ちょっとした仕種や、態度や、表情や、雰囲気で、人は敏感にキャッチしています。俗に、「眼は口ほどにものを言い」というのは、本当のことなのです。敏感な人は、初対面の人であっても、その人の生活背景やキャラクターまで読んでしまいます。
さて、気分の変化が如実に表れ出る場は、なんといっても顔の表情です。人は感情や思考に溺れているので、その時に自分がどういう表情をしているかには普段あまり注意を向けません。もっぱらそれを見るのは、周囲の人々ということになります。ちなみに、感情と表情との関係を、訓練で自在に操れるようにした人たちが「役者」です。
沈んだ表情、怒りの表情、疑いの表情、嫉妬に狂った表情、こういった表情は、すべて周囲に大きな影響を与え、感情の同調または反発を誘引します。たとえば鬱に沈んでいる時には、沈んだ表情をしています。それを見て「近づきたくないわ」と去って行く人と、「あなたもなの?」と、感情を分かち合おうとする人が出て来ます。
後者は、一見、慰めになるように思えますが、それも一時のことで、しばらくすると相手の同じような気分に同調してしまい、エコー効果で増々気分は滅入って来ます。それほど、表情が与える効果は甚大だということです。そこで、心の治め方の一つとして、表情に注意を払って「役者」を演じて欲しいのです。
上手な誤摩化し方の勧めです。感情と表情は一対一で対応しています。そこでこれを利用し、気分が沈んだとき、イライラしたときなどに、意識してSmileをつくるのです。もちろん変だし、違和感があります。しかしそこを無理やり突破しますと、しだいに、Smileに対応した感情が誘発されてくるのです。気分をよくしたければ、先ず形から入れということです。
Smileを浮かべていれば、周囲との関係はよくなりますし、Smileの人が集まってきます。そうしますと、これもエコー効果で、自分もSmileになっていくわけです。最初は違和感があると思いますが、(Smile、Smile、Happy、Happy)と心で念じつつ、笑顔を作ってみてください。鏡を見るのもよい方法です。