by Rainbow School
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8月11日、昨年に引き続いて今回で2回目となる「ブラック企業大賞2013」の発表がありました。主催者側は「受賞式」と言っていますが、受賞した企業はわざわざ受け取らないでしょうから、まあキツイしゃれということです。「ゴールデンラズベリー賞」や「イグノーベル賞」に似ていますが、あれよりもずっとキツイ。なにせブラック・ジョークと言うくらいですから。
私は基本的には、軽々しく他者を揶揄したりすべきではないと思っています。でも今は労働者の立場があまりにも弱すぎて、人は「使い捨て」という風潮が社会に浸透してしまいました。組合も弱体化してしまって有効な対抗手段もありませんから、こういうしゃれで対抗するのはなかなかいい方法だと、そのアイデアには感心しています。
運営主体は、作家や弁護士や大学教授などの有志10人で構成された「ブラック企業大賞企画委員会」。このグループは「ブラック企業」を次のように定義し、これらの観点から具体的な企業をノミネート。Web投票の結果も反映して大賞ほか各賞を選出しています。
「ブラック企業大賞企画委員会」による「ブラック企業」の定義
(1)労働法やその他の法令に抵触し、またはその可能性があるグレーゾーンな条件での労働を、意図的・恣意的に従業員に強いている企業。
(2)パワーハラスメントなどの暴力的強制を常套手段として従業員に強いる体質を持つ企業や法人(学校法人、社会福祉法人、官公庁や公営企業、医療機関なども含む)。
さて、今回の「大賞」受賞企業はワタミフードサービスでした。ワタミは2012年にも「市民賞」を受賞しています。
2008 年6 月に正社員だった当時26 歳の女性が、厚生労働省が定める過労死ラインをはるかに上回る残業を強いられ、わずか入社2 カ月で精神疾患と過労自殺に追い込まれたという事件がありました。この事件と、その後の同社の対応、代表である渡邉美樹氏の一連の発言などが火に油を注ぐ結果になったようです。
でもこの方、国会議員になられたんですよね。それで、第一次安倍内閣の時には教育再生会議の委員、それから神奈川県教育委員会教育委員も務められた。
すごい時代になっちゃったなぁ。もう「う〜ん」って感じです。