「きめつけ対応」の方法
2013.07.31 Wednesday
心が閉じて来ると、人は最後は「きめつけ」に陥ってしまいます。「どうせ俺なんかダメだ」とか、「何をしようが仕方がない、人生無意味だ」とか。もう、やけのやんぱちです。
こうなりますと、心はテコでも動かない。子供がこうなったら、見守る親としても途方に暮れてしまいますよね。
7月17に書いた元宮川医療少年院院長の小栗正幸さん。この方が仰られていた「きめつけ対応」の方法をご紹介しましょう。
人は、人間関係においては、経験的に二つの方法を対処法として用いて来ました。「反論」か「受容」です。
例えば「どうせ何をやっても意味がない」という人に対しては、
A「そんなことはないよ」(反論)
B「今はそっとしておいて欲しいんだね」(受容)
というどちらかの方法です。ところが「きめつけ」の場合は、これがどちらもうまくいかないのです。
「きめつけ」とはこだわり。行動をパターン化して極度に固執した状態です。作り上げた殻が固くて、反論の言葉も受容の言葉も中まで届きません。
そこで、肯定的フィードバックをテクニックとして使うといいと、小栗正幸さんは仰っています。
上の例ですと、
「そんなことを考えるようになってきたのは、君も大人になった証拠だね」
と言ってみる、などです。
これは、言われた方からすれば「あれ?」という驚きになります。何しろ、考えもしなかった視点からものを言われるわけですから。
こんなふうに視点を変えてしまう方法を「リフレーム」と言います。それは元の問題に全然応えていないわけですが、殻を砕くにはとても有効なのです。
そもそも元の問題など、その時の気分の状態によってどうとでも変わる事柄です。気分が落ち込んだ時には、誰だって「どうせ何をやっても意味がない」と思ったりします。
それと同じ地平に立ってものを言っても、説得力にはならないということです。相手の気持ちを理解することは最も大切ですが、「きめつけ」が見られた時には、同情し過ぎずにちょっと引いて見るようにします。
「リフレーム」は機転が必要なので最初は難しいですが、一呼吸置いて肯定的な言葉を探せば、しだいにうまくいくようになります。ぜひチャレンジしてみてください。