他人にイヤな思いをさせられたが‥‥
2013.04.30 Tuesday
「他人(ひと)から責任問題を転嫁されイヤな思いをしましたが、その相手に腹を立てることなく、気にならなくする方法はあるでしょうか?」というメールをいただきました。
その方は、第三者の友人から「○○さんがあなたのことをこう言ってるのよ」と聞かされたというのです。「知らなければなんでもなかったのに‥‥」と、どうにも心が治まりません。
こういうことって、結構あるのでしょうね。
「私のことを悪く言ってる人にもショックだけれど、それをわざわざ知らせて来る人も来る人だ」
そのお気持ちは解りますよ。でも冷静になって考えてみてください。それって、自分の不快を他人のせいにしていませんか? 厳しいことを言うようですが、ご自分も同じく「責任転嫁」をしているのではありませんか?
あの人のせいでこうなった。この人のせいでこんなことになってしまった。そう思っている限りは、心の治めようがありませんよ。
なぜって、他人をコントロールすることなどできませんから。考えるだけ無駄というものです。
でも、自分自身は取り組みしだいで制御ができますよね。
同じものを見たり、同じことを体験したりしても、感じ方は人それぞれです。「他人から責任を転嫁された」と言っても、それでイヤな思いになって落ち込む人もいれば、腹を立てる人もいるし、反撃に出る人もいる。そうかと思えば、軽く受け流してしまえる人もいる。いったい何が違うのでしょう?
まず気づいていただきたいのは、「感情」を作っているのは自分自身だということです。他人や出来事ではないのです。それは単なるきっかけに過ぎません。
仏教では「因縁果報」を説きますが、人は何かの原因をたいてい外に求めようとします。つまり「因」を、あの人のせい、あの事件で、と考えがちです。そしてそこにたまたま出会った「縁」により自分にイヤな思いという「果」が生じたと考えます。
でもそうではありません。まったく逆です。「因」は自分にあり、他人や事件の方が「縁」なのです。自分の「因」が、それに見合った「縁」を引き寄せているのです。だから、同じものを見たり、同じことを体験したりしても、感じ方が人それぞれ異なるのです。
この理屈が解れば、対処法も自ずと解るでしょう。
それは、「因」であるところの「自分自身の心グセ」を変えることです。
具体策については、次回に。